コンビニのおにぎりはとても手軽に購入できて、持ち運びもでき、簡単に食べることができてとても便利ですよね。
なるべく添加物の入っていないものを選びたい!という方も多いとは思いますが、添加物の書いてある数を比較していませんか?
こんなことをいう人がいますが、それは間違いです。
食品開発歴20年以上の友谷です。
ただし気になる添加物もあります
ポイント
コンビニおにぎりは安全である理由と気になる点を専門家視点で解説します!
コンビニのおにぎりに不安を感じている方は読んでみてくださいね。
もくじ
【比較】おにぎりの添加物
まずは、実際にどんな添加物が入っているか大手3社のおにぎりの添加物表示を確認し、数を比べてみましょう。
【比較】おにぎりの添加物表示
3社のおにぎりにの添加物表示です。
添加物を入れている「目的」について、それぞれ色分けしています。
コンビニ | ローソン | セブンイレブン | ファミリーマート |
種類 | 梅 | ||
添加物 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、V.B1 | V.B1 | 酸味料、V.B1 |
種類 | ツナマヨネーズ | ||
添加物 | 調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、グリシン、糊料(加工澱粉、キサンタン)、加工澱粉、甘味料(ステビア)、セルロース | 調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、糊料(増粘多糖類)、グリシン、甘味料(カンゾウ)、香辛料 | 糊料(加工デンプン、増粘多糖類)、酢酸Na、調味料(アミノ酸糖)、リゾチーム、香辛料抽出物 |
①味をつけるため
②日持ちをよくするため
③成形しやすく食べやすくするため
3社とも使用している添加物は異なりますが、使用している目的は同じで差がないということがわかります。
※添加物の詳細は最後に記載していますので、興味のある方はみてください。
コンビニおにぎりの添加物詳細
おにぎりの添加物の数
添加物では「、」で区切って書かれていますので「、」毎の数をカウントしました。
コンビニ | ローソン | セブンイレブン | ファミリーマート |
種類 | 梅 | ||
添加物 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、V.B1 | V.B1 | 酸味料、V.B1 |
カウント | 3 | 1 | 2 |
種類 | ツナマヨネーズ | ||
添加物 | 調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、グリシン、糊料(加工澱粉、キサンタン)、加工澱粉、甘味料(ステビア)、セルロース | 調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、糊料(増粘多糖類)、グリシン、甘味料(カンゾウ)、香辛料 | 糊料(加工デンプン、増粘多糖類)、酢酸Na、調味料(アミノ酸糖)、リゾチーム、香辛料抽出物 |
カウント | 7 | 6 | 5 |
今回比較した商品の添加物の使用目的は同じ
記載されている添加物表示の数は商品によって異なる
家庭でつくるおにぎりとの比較
本当にそうでしょうか?
家庭でつくるおにぎりの添加物
家で作ったおにぎりでも、添加物が入らないとはかぎりません。
例えば、あなたが市販のツナ缶とマヨネーズを使って作ったおにぎりに表示をつけるとしたらどんな添加物表示がつくでしょうか?
実際に市販されているツナとマヨネーズを表示を確認します。
あなたが作ったおにぎりにも材料に入ってる添加物を表示しないといけないので、このツナとマヨネーズを使用した場合は、添加物として調味料(アミノ酸等)、香辛料抽出物という表示がつくことになります。
では、他の具材ではどうでしょうか?
同じく市販されている一般的な無着色明太子とたまご味のふりかけを例に考えます。
※おにぎりにいれた場合、キャリーオーバーとなる添加物があり全ては表示されません
家庭VSコンビニ 添加物数 比較
もし、単純に添加物の書いてある数だけで危険や安全というならば・・・。
今回の例で比較すると先ほどの過程で作ったおにぎりの場合
明太子 > ふりかけ > ツナマヨ という順で危険になりますよね???
そして、さらにコンビニのおにぎりと比較してください。
セブンイレブンやファミリーマートの梅おにぎりは、記載されている添加物の数だけを数えると1または2です。
家庭で作ったツナマヨおにぎりより、コンビニの梅おにぎりの方が安全ということになります!?
添加物の数だけで、危険とか安全と決めていいのでしょうか?
家庭で作ったおにぎりも添加物が入る場合もある
コンビニおにぎりよりも数が多くなるケースもある
【必読】添加物表示に惑わされないでOK
添加物の数が多いから危険、少ないから安全ということではありません!
重要なのは種類の数より、量だからです。
なぜなら、添加物に限らずたくさんの種類をとっても微量であれば体になんの影響もありませんが、1種類でも大量に摂取するようなことがあれば危険なものもあるからです。
理由をご説明します。
種類が多いか量が多いか
イメージしにくいですよね。
2つのおにぎりがあります。どちらかを選んでください。
どちらが危険ですか?
A | B | |
添加物 | 1種類 | 10種類 |
ではどちらが危険ですか?
A | B | |
添加物 | 1種類 | 10種類 |
添加量 | 大量 | 微量 |
たくさんの添加物が書いてある方が、たくさんの量が入っているように思えますが、添加物は使用する量も異なるで、たくさんの種類を使っているからたくさんの量が入っていることにはならないんです。
添加物の数はわからない
そもそも原材料表示では、添加物が何種類入っているか?わかりません。
全てを物質の名前で表示するとは限らないからです。
添加物は使用した添加物を全て物質名で記載することが基本ですが、使用目的で表す「一括名」の表示が認められています。
たとえば『調味料(アミノ酸等)』という表示では、2種類以上の物質が使用されてることになるのですが3種類か4種類かそれ以上かわかりません。
この場合、梅おにぎりであればローソン>ファミリーマート>セブンイレブンの順で種類が多いといえますが、ツナマヨでは比較できません。
添加物は色々な物質を混ぜたものを使用する場合もあり、物質名で書くとむずかしい名前がたくさん並んでしまうことにもなります。
むしろ消費者にわかりやすくするために、一括名としてまとめて書かなくてはいけない添加物があるのです。
添加物の量もわからない
じゃあどのくらいの量が入ってるかどうやったらわかるの?
わかる必要もありません
添加物はたくさんの種類がありますが、それぞれ使用量も大きく異なります。
0.1g入れるものもあれば、0.0001g入れるものもある というイメージです。
適正量も異なり、添加物毎に体に影響のでない量を確認し、さらにその1/100を上限に使用することが定められているんです。
添加物それぞれの添加量はわからなくても、体に影響のでる量は入っていないといえます。
もし仮に添加量が書いてあったとしてもそれが多いのか少ないのかわかりますか?
→例)キサンタンガム0.005g ステビア0.0002g
添加物は800種類以上あるので、消費者が全ての添加物の適正量を判断するなんて不可能です。
それよりも法律で規制して、メーカーの責任で体に影響のでない量を添加すべきですよね。
添加物が体に影響するのは種類より量!
ただし体に影響のでない量しか入っていないので安心
【即実践】コンビニおにぎりを買う際に考えたい「味」のこと
ただし、味について気になることもあります
日持ちをよくする添加物
家庭でおにぎりを作った場合でも、なかなか入ることのない添加物があります。
日持ち向上のための添加物で、今回の例でいえばpH調整剤や酢酸Na、グリシンなどです。
賞味期限内は腐らないように、食中毒を防ぐ役割があります。
おにぎりは、素手でにぎったり、持ち歩くことも多いため保管される時間がながく、食中毒リスクの高い食べ物です。
おにぎりを握るときは必ずラップなどを用いて素手では握らないようにしましょう。持ち歩く場合は作ってすぐに冷まして、保冷剤などをいれるなど高温にならない工夫をしてください。夏場は特に気をつけて、酢をいれてご飯を炊いたり、具材も梅干しなど痛みにくいものを使用してください。
コンビニのおにぎりは、衛生管理された工場で作り、配送温度や保管温度を管理し、衛生的な具材を使用し、さらに日持ち向上剤を加えて安全を確保しています。
※腐らないわけではありませんので、高温保管は避けて賞味期限内に食べてください
定められた温度で保管し、賞味期限内で食べれば食中毒のリスクが低く安心です。
食中毒をふせぐためには必要な添加物です。
しかし、この添加物は味にも影響がでる場合があるんです。
具材によっては添加物の味を感じる
今回の添加物表示をみてもわかるように、梅味とツナマヨ味では日持ち向上のためにいれる添加物が異なっています。
これは具材によって日持ちの(傷みやすさ)が異なるからです。
このため、コンビニのおにぎりは各具材の傷みやすさを考えて、添加物を商品によって使い分けていますが、この添加物にも味があります。
グリシンは甘味や旨味も感じますが、pH調整剤や酢酸Naなどはいれることで酸味や苦味を感じることがあります。
美味しくなくては商品が売れなくなってしまいますので、安全を確保しながらも、美味しさのため衛生管理、温度管理を厳しくすることで添加物を極力減らしたり、添加物の種類を工夫しているため、昔と比べて最近はこの日持ち向上剤の味がしない商品が多くなりました。
しかし、傷みやすい具を使った商品(生ものはもちろん、卵や肉の入ったチャーハンや炊き込みご飯など)では添加物の味を感じたり、食べやすいように濃い味付けにしているものをみかけます。
コンビニのおにぎりの味が苦手をいう方は、この日持ち向上のための添加物を感じているかもしれませんので、傷みにくい具材を選ぶことで気にならずに美味しく食べられるかもしれません。
小さいお子さんにも味が濃すぎる場合があるので、塩のみや昆布、梅など傷みにくい具材のものを選んであげてください。
日持ち向上のための添加物は味に影響がでるものもある
傷みにくい具を選ぶことで気にならない
【詳しく知りたい方へ】コンビニおにぎりの添加物の詳細について
※ここは読み飛ばしてもらってもOKです!
今回チェックしたおにぎりの添加物がどういうものか?紹介します。
気になる方はみてください。
味をつけるための添加物
調味料(アミノ酸等)はうま味、酸味料、甘味料はそれぞれそのまま酸味と甘味をつける添加物です。香辛料抽出物は香辛料の辛みや香りをつけるための添加物です。
※香辛料抽出物という添加物をセブンイレブンでは「香辛料」、ファミリーマートでは「香辛料抽出物」と記載しています。添加物ではない香辛料(スパイス類)も「香辛料」と表記されるので紛らわしいですが、/の後に記載されている場合は添加物にあたりますので香辛料抽出物をさします。
ご飯、具材の梅、ツナ、マヨネーズの味付けなどに使用されている添加物です。
調味料(アミノ酸)
昆布のうま味グルタミン酸を利用した『グルタミン酸ナトリウム』が主に使用されます
酸味料
梅干しにも含まれる酸味の成分『クエン酸』がよく使用されます
ステビア・カンゾウ
砂糖とは異なり少量で強い甘味をつける天然由来の甘味料です
日持ちをよくするための添加物
V.B1(ビタミンB1)をはじめ、日持ちをよくする添加物が使用されています。
工場で作ったおにぎりを運んで店舗で販売する間に、菌が増えないように、食中毒をふせぐために入れる必要があります。
おにぎりは、味つけや具によって傷みやすさ(腐りやすさ)が異なるため、おにぎりの種類によって、使用される添加物も様々です。
pH調整剤
食品を酸性にしたりアルカリ性にしたりします。酢酸、フマル酸など
グリシン
体内にも存在するアミノ酸です
リゾチーム
卵白から抽出する酵素です
ちなににこの3社のおにぎりは、種類にかかわらず保存料は使用していません。
形・食べやすさをよくするため
増粘剤は粘性をつけたり、保形性をつけたりするもので、硬さを調整します。
おにぎりを作る時、具のツナマヨネーズが出てきてしまうと成形しずらく、保管中に液体状のものがご飯に染み込んでしまうと、おにぎりがベチャっとするだけでなく、食べにくいですよね。
そんな状態を防ぐために糊料は使われ、美味しさのためにいれる添加物ともいえます。
加工でんぷん
でんぷんを化学処理して安定性を高くしたものです
キサンタンガム
微生物を用いて発酵して作られる多糖類です
セルロース
多糖類であり食物繊維です。野菜や果物など植物に含まれます
まとめ
コンビニおにぎりは、様々な添加物が使用されています。
より美味しく、安心して食べられるように添加物が使用されていますが、たくさんの添加物の名前が書いてあると不安になるかもしれません。
しかし、添加物の種類が少ないから安全で、多いから危険ということではありません。
家庭でおにぎりを作っても、味をつけたり、色をつけたるする添加物など、色々な種類の添加物が入る可能性がありますが、添加物は体に影響する量は食べられないよう使用量が定められている点が安心です。
ただし、日持ち向上のための添加物の中には、味にでるものもあるので、小さいお子さんには具材を選ぶことで美味しく利用しましょう。