美味しくて便利なレトルトカレーですが、レトルトカレーは体に悪いという人がいます。
レトルトとは殺菌方法の一つなので、レトルトカレーだから体に悪いというのは少しおかしな表現です。
もくじ
レトルトカレーが腐らない理由
レトルトカレーは常温で販売されていますが、なぜ腐らないのでしょうか?
まずはレトルトとはなにか?を確認しましょう。
レトルト殺菌したものがレトルト食品
アルミの袋に入っているものをレトルト食品だと勘違いしている人がいるのですが、危険な間違いです。
レトルト食品とは容器に詰めたのち、加圧加熱殺菌(レトルト殺菌)という方法で殺菌した食品のことであって、包装容器はアルミではない袋や、トレーを使用しているものもあります。
なぜなら、アルミの袋に入っていても冷蔵保管の商品は存在するので、包材をみただけでレトルト食品だと判断して常温で保管すると腐ってしまいます。
レトルト食品には記載があります
レトルト食品には必ず殺菌方法の記載があり『気密性容器に密封し、加圧加熱殺菌』という記載があります。
レトルト食品とかかれている商品もあります。
保存方法を間違えると命の危険があるので、もし保存方法に迷ったらレトルト食品に限らず、食品表示に記載している保存方法を確認してくださいね。
常温保管で腐らない理由
レトルト食品は食品を容器にいれて密封してからから高圧高温で殺菌する方法です。
このため、容器の中の菌が熱で全て死んでしまい、しかも密閉されているので新たな菌が入ってきません。
腐るとは、食品を栄養にして菌が増えることです。
熱で菌を全部殺してしまってゼロにするので、菌は増えないのです。
だからレトルト食品は保存料をいれなくても常温で腐らないんです。
レトルト食品はすべて保存料ははいっていません
密閉後、加熱殺菌することで腐りません
レトルトカレーの材料とは
大手のレトルトカレーの原材料表示を確認し、よく指摘されている添加物と油脂についてみていきましよう。
レトルトカレーの原材料表示
レトルトカレーの添加物が気になる
表示の中の/以降に書いてあるものが添加物ですが、どういうものでしょうか?
添加物だけを書きだしてみましょう。
レトルトカレーに入っている添加物
使用添加物一覧
添加物は食べても身体に影響がない量しか使用されないので、添加物が入っているから体に悪いとはいえません。
レトルトカレーの気になる添加物
でも、カラメル色素やカラメル色素を使用した食品に発がん性があるということではないんです!
カラメル色素をマウスに与ても発がん性は確認されていませんし、そもそも発がん性があれば添加物としての使用は認められません。
カラメル色素中に副生成物が含まれる可能性がありその物質の発がん性が指摘されています。
カラメル色素は茶色の色をつける添加物です。砂糖やぶどう糖など炭水化物から作られます。種類があり日本では、Ⅰ類、Ⅲ類、Ⅳ類という3種類が使用されています。このうちⅢ類、Ⅳ類は製造過程で4-メチルイミダゾール(4-MEI)という副産物が生成されます。この4-MEIは発がん性があるといわれています。カラメル色素には4-MEIの含有量上限が定められています。
食品に含まれるカラメル色素は少量であり、さらにその中の発がん性物質となると、かなり微量なので、人に対して発がん性を発揮できる量を食べる心配はないでしょう。
発がん性物質
発がん性があるといわれている物質は様々な種類のものがあり、水道水にも含まれています。工業的にできるものだけでなく、家庭で食品を焼いたり、揚げたりしたときに生成してしまう発がん性物質もあります。今回の4-MEIもコーヒーにもわずかに含まれます。
最近は食品メーカーでもⅢ類、Ⅳ類の使用は避ける傾向があり、4-MEIが含まれる心配のないⅠ類が使用されることが多いのであまり心配しなくてもよいでしょう。
レトルトカレーの油が気になる
本当でしょうか??
気になる油脂の種類と脂質の量を確認しましょう。
A社:パーム油・なたね油⇒ 9g/食
B社:牛脂豚脂混合油 ⇒5.9g/食
今回確認したレトルトカレーではA社の製品は植物性の油、B社は動物性の油を使用しています。
レトルトカレーの油の量
今回確認したカレーに含まれる油脂は、ルゥ、肉、調味料由来(バターやクリーム)由来の油脂を全て合わせて1食あたり9g(A社)ということです。
他の食品と比較します。
脂質
牛乳: 7~ 8 g /杯
鶏の唐揚:15~40 g/食
油脂の摂取量の目安は1日あたり50g程度です。
レトルトカレー1食で油のとりすぎということはいえないでしょう。
レトルトカレーの油の種類
レトルトカレーだから〇〇油を使用してる ということはありません。
植物性だったり動物性であったり、固体状のものや液体状の油もあります。
なたね油はキャノーラ油として家庭でもおなじみで、オレイン酸という悪玉コレステロールを下げる脂肪酸を含んでいます。
パーム油、牛脂豚脂混合油は飽和脂肪酸という成分を多く含む油脂です。
飽和脂肪酸をとりすぎると中性脂肪が増えたりコレステロールが増えるため取りすぎたくはない油です。
飽和脂肪酸
固形で牛乳、バター、肉などの動物性脂肪に多く含まれています。
パーム油
アブラヤシを原料とする植物性油脂です。パン、お菓子、揚げ物など幅広く使用されています。
パーム油は家庭ではなじみがありませんが多くの加工食品に使用されている油です。
家でカレーを作るときは牛脂豚脂混合油やパーム油なんて使わないから大丈夫なの。
飽和脂肪酸を含む油も、含まない油であっても、取りすぎないよう気をつけるべきものです。
ただし、レトルトカレーに限らず家庭で作るカレー、外食のカレーの多くにも油は含まれますし、カレー以外の食品にもたくさん使用されています。
レトルトカレーの油だけに注目するのではなく、他の食事も含めて考えていくことが大事です。
添加物も油もバランスの良い食事で過剰摂取を防げばOK
レトルトカレーとルゥで作るカレー
レトルトカレーの原材料を分類
最初に紹介した原材料表示では、材料が多く、多い順に書かれているのでわかりにくいため大きく分類してみました。
レトルトカレーの原材料
家庭でも肉・野菜・カレールゥでカレーを作ると思いますが、このルゥ・スパイス(カレー)・調味料・添加物(ピンク色の部分)が市販のカレールゥにあたります。
レトルトカレーとカレールゥの比較
では実際に同じメーカー、同じブランドのカレールゥの原材料をみてみましょう。
カレールゥの原材料
添加物を比較すると、カレールゥには具は入っていないので、具の煮崩れを防ぐ塩化Caや、高温殺菌でも粘度が安定する増粘剤も必要がないため使用されていません。
油脂の種類と脂質の量も確認します。
A社:パーム油・なたね油混合油脂
⇒5.2g/1皿
B社:牛脂豚脂混合油・パーム油
⇒6.5g/1皿
脂質の量ですが、これはカレールゥの脂質の量なので、ご家庭で使われる炒め油や、お肉などに含まれる脂質は当然含まれません。
外食のカレーでも市販のカレールゥを使用している店も多いのですね。
家庭でカレールゥを使用して作るカレーと材料は大きく変わりません
レトルトカレーを活用しよう
材料だけみれば大きくかわりませんが、レトルトカレーならではの特徴もあります。
レトルト殺菌は長時間煮込みに近い
カレーはじっくり煮込むほど美味しくなるのはわかっているけれど、忙しいお母さんたちにとって時間をかけるのは難しいですよね。
実は、レトルト殺菌で作るカレーも密閉して圧力をかけ、熱をかけるので圧力鍋と似た効果がありお肉も野菜もレトルト殺菌でしっかりやわらかく加熱されます。
レトルトカレーは便利で安心
家庭ではカレールゥを使ってカレーを作ったとしても、好きな具材をたっぷり入れて、自分の好みの味にアレンジできるので、家庭のカレーはレトルトカレーにはない美味しさがあります。
ただ一方でレトルトカレーは3分程度温めるだけですぐに食べられるインスタント食品でありながらも、肉、野菜を加えてスパイスと一緒にしっかり煮込んだカレーであることには変わりません。
各社こだわりの調味料に、こだわりの具材を用いており、最近では高級レトルトカレーもたくさん販売されていますね。
お子さんが小さいうちは、カレーを作る際も、大人と辛さをわけて作る手間がありますが、レトルトカレーなら1食単位で売られているので家族毎にそれぞれの好みの具材、好みのスパイス感のカレーを手軽に食べることができます。
肉や野菜、揚げ物などもトッピングすれば満足感もアップしますね。
また常温で保管できるうえ、そのまま食べることも可能で非常食としても使えるので常備しておくと安心です。
また最近は、電子レンジ対応のものが増えてきており、お子さんが温める場合も火や熱湯を使わない点が安心です。
夏休みなど、お子さんだけで留守番が必要な時のお昼ご飯としても使用しやすいですね。
レトルトカレーはじっくり煮込んだカレーと同じ
活用方法も色々
まとめ
レトルトカレーは体に悪いというのは極端な発想で間違いです。
添加物を使用しているものもありますが、家庭でカレーを作ってもカレールゥで作るならば原材料に大きな違いはありません。