加工食品

マーガリンは体に悪い!食べるプラスチックって本当なの?

以前、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸というものが話題になり、マーガリンは体に悪いとすっかり悪者になりました。

「マーガリンは体に悪いので、もう買っていません!」という人も多いかもしれません。
しかし、マーガリンは家で使わなくても、パンやお菓子に使われているので子どもに食べさせていいのか不安になりますよね。

うそ
うそ
マーガリンは食べるプラスチック!

こんな言葉も広まりましたが信じていますか?

マーガリンはプラスチックみたいというのはデマです。

 

でもマーガリンが体に悪いのは本当でしょ?
マーガリンが体に悪いということではありません。
問題となったのは、マーガリンの原料である油の中に、体によくないものが含まれていたんです。

 

そんな悪い油を使わなければいいでしょ!
その通りです!油を変えればいいんです!!
そして、今、使用する油が変わりより安心して食べられるものになりました

どう変わったのか?どれくらい安心なのか?解説しますので、これを機に不安をなくしてくださいね。
忙しい方はポイントだけを読んでみてください。

マーガリンが体に悪いといわれた理由

マーガリンが体に悪いと言われた理由は、原料の油の中にトランス脂肪酸というものが多く含まれていたからです。

このトランス脂肪酸をたくさん食べると心臓病のリスクが高まります。
では、なぜトランス脂肪酸が入っていたのでしょうか?

トランス脂肪酸
不飽和脂肪酸の一種。不飽和脂肪酸にはシス型とトランス型があります。

 

マーガリンは水と油でできている

マーガリンはそもそもバターの代用品として開発されました。

バターもマーガリンも、油と水が混ざった状態ということが共通しています。

バターは牛乳から成分を取り出して作ります。
脂質は牛乳由来の動物性脂肪です。

一方、マーガリンは油と水、味付けとなる塩、乳、香料などを混ぜて作ります。
使用する油は、コーン油、大豆油、紅花油など植物からとった油が主体とされています。

コーン油や大豆油が体に悪い油なの?
体に悪いイメージないんだけど・・・
植物油が悪いということではなく、植物油にある加工をするとトランス脂肪酸ができてしまうんです

その加工が『部分水素添加』と言われる方法です。

コーン油、大豆油などの油は液体状なのでパンに塗るということができません。一方マーガリンはバターのように固形状です。マーガリンは使いやすい硬さになるように液体状の油を半固体や固体状に加工した油を使ってつくります。この油の加工に部分水素添加という方法を用いるとトランス脂肪酸ができてしまいます。

 

トランス脂肪酸は添加物ではありません

うそ
うそ
マーガリンを安くつくるためにトランス脂肪酸という添加物を添加しているんです

こんなことを書いている記事をみかけましたが間違いです。

先ほど書きましたようにトランス脂肪酸はわざわざ添加しているものではなく、油を加工したり精製する工程でできてしまうものなんです。

ただ、トランス脂肪酸は、加工だけでできるものではなく、天然にも存在します
牛肉、牛乳などにも天然のトランス脂肪酸がふくまれています。

トランス脂肪酸は添加しているものではなく、加工でできてしまうものです

 

マーガリンはプラスチックと全く似ていない

トランス脂肪酸とか、部分水素添加とか・・・。

なんだか難しい言葉ばっかり!やっぱりマーガリンはプラスチックみたいに食べられないようなものなんじゃないの?

先ほど書きましたように、マーガリンは植物からとった油を加工して、そこに塩などで味付けをしたものです。

プラスチックは石油を原料とした合成樹脂といわれるものです。

原料も異なりますし、化学的にも似ている要素が全くありません!

食べるプラスチックなどと言われるのは、英語で書かれた分部水素添加工程を誤訳したことが原因ではないかと言われています。

マーガリンはプラスチックとは全く異なるもので似ていない

 

マーガリンは今も体に悪いものがはいっている?

以前は、『部分水素添加』という方法で作られた油を使っていたため、マーガリンにトランス脂肪酸が多く含まれていました。

部分水素添加っていう方法をやめればいいんじゃない?
そういうことです!

今、どうなっているのかみていきましょう。

マーガリンの現状とは

具体的にスーパーなどで購入できる大手4社のマーガリンをみていきましょう。
部分水素添加という加工方法で作られた油を今も使っているのでしょうか?

部分水素添加油脂の使用状況

4社とも部分水素添加された油脂をもう使用していないんです!

ネオソフト、コーンソフトは分類上はマーガリンではなくファストスプレッドです
油の含有量
80%以上 マーガリン
80%以下 ファストスプレッド

マーガリンはトランス脂肪酸がたくさんできてしまう加工方法(部分水素添加)で作られた油を今は使っていない

 

トランス脂肪酸の量を確認

では、肝心なトランス脂肪酸の量はどうなっているのでしょうか?
農林水産省のデータで変化を確認します。

トランス脂肪酸の含有量 変化

                         ※複数の商品を調査した中央値

2014年の段階で約1/10まで減っていますが、現状の値を先ほどの4社の製品でみてみましょう。

 

4社のトランス脂肪酸の含有量

2021年6月

2006年と比較すると、驚くほどトランス脂肪酸の含有量が少なくなっていますね

マーガリンのトランス脂肪酸の含有量は大きく低減されています

 

業務用のマーガリンは?

パンやお菓子にもマーガリンやショートニングといったトランス脂肪酸が問題になった油脂が使われています。

アメリカでは部分水素添加油脂の使用は規制されているのに対し、日本には規制がありません。

このことで、日本の食品にはトランス脂肪酸がたくさん含まれていると思っている人がいるのですが、家庭用のマーガリンだけでなく業務用のマーガリンもショートニングもトランス脂肪酸の低減が進んでいます。

たとえ日本が規制をしなくても、トランス脂肪酸が多い食品は嫌われて売れなくなってしまうので、メーカーは部分水素添加油脂は使用したくないのです。

この結果、パンや菓子中のトランス脂肪酸の量も大きく減ってきています

業務用の油脂でもトランス脂肪酸の含有量が低減されています

 

バターの方がトランス脂肪酸は多い

私はトランス脂肪酸が気になるからバターしか使わないわ

こういう方がいるのですが、ではバターのトランス脂肪酸量はどうなっているんでしょうか?

バターに含まれるトランス脂肪酸
約0.2g/10g

 

今となってはトランス脂肪酸の量は、バターの方がマーガリンより多いんです

バターは牛乳由来の天然のトランス脂肪酸が含まれるのです。

以前は、バターの方がトランス脂肪酸量は少なかったのですがマーガリンがひどく嫌われた結果、マーガリンは改良されバターよりもトランス脂肪酸量が少なくなりました。

マーガリンはバターに比べてトランス脂肪酸量が少ない

 

日本人とトランス脂肪酸摂取量

減ったっていってもゼロじゃないのね!やっぱり体に悪いわ!!私はゼロじゃないと嫌なの
アメリカは規制されているからゼロって聞いたわ

減ったからって安心なの?アメリカはゼロって本当???

先ほどの数字をどう考えればいいのか?みてみましょう。

トランス脂肪酸の摂取量の目安は?

世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸の摂取量を総摂取エネルギーの1%未満とするように勧めています。

この総摂取エネルギーの1%は、年齢性別によって異なりますが約2gに相当します。

これに対して、日本人の平均は0.3%です。
上位5%の人についても、0.70%(男性)、0.75%(女性)なので1%を下回ります。

日本人の食生活、食べる量であれば、トランス脂肪酸の体への影響は少ないと考えられています。

日本人はトランス脂肪酸の摂取量が目標値を下回り、影響が少ないといえます

 

アメリカのトランス脂肪酸事情

トランス脂肪酸の記事では、非常によくでてくるアメリカとの比較です。
多くの記事が間違っているので要注意です。

うそ
うそ
アメリカではトランス脂肪酸は使用禁止なんです
うそ
うそ
アメリカではトランス脂肪酸は添加されていないのに日本は規制していないのよ

こういう記事が非常に多いのですがどこが間違いかわかりますか?

先ほども書きましたが、トランス脂肪酸は使用するものでも、添加するものでもありません。

加工や精製でできるのもの、とくに部分水素添加という加工で多くできるものでしたね。

アメリカでは、この部分水素添加という方法で作られた油脂の使用に規制があり、使用するには条件があります。

ただ食品中のトランス脂肪酸の含有量を規制しているわけではありません。

つまりアメリカの食品はトランス脂肪酸が入っていないということではありません

アメリカと日本の比較

アメリカは部分水素添加油脂の規制があるのに対し、日本にはありません。

しかし、先ほど紹介した日本のマーガリンは部分水素添加油脂を使用していませんでした。
つまり、メーカーの自主規制で使用していないということになります。

またもう一つ話題になるのが、アメリカではトランス脂肪酸の含有量表示が義務づけされているという点についてです。

これについても、日本では義務化されていません。

この表示についても誤解される場合があります。
アメリカの商品でトランス脂肪酸「0g」と書かれているものがあります。
アメリカでは1食あたり0.5g未満は「0g」と表示できるので、この商品がトランス脂肪酸を全く含有していないという意味とは限らないということです。

ただ、0という数字をみてしまうと、アメリカではトランス脂肪酸をゼロにする規制している?と勘違いしてしまう人もいるかもしれません。

日本は規制がないからダメ!という意見もありますが、規制前のアメリカでは総エネルギー量に対するトランス脂肪酸の摂取量の割合が2.0%もありました!
日本とは異なり死因の1位が心臓病のアメリカでは、日本と対策が異なってくるのも当然といえますね。

日本は規制しなくても、メーカーの自主規制が進んでいますが、部分水素添加油脂が入っている商品がないわけではありません。

今後は規制され、天然以外のトランス脂肪酸の含有量は限りなくゼロに近づけることが理想だと思います。

ただ、肉にも魚にも果実にも天然のトランス脂肪酸は含まれているので、摂取量もゼロを目指すのは難しいかもしれません。

アメリカでは部分水素添加油脂の使用に規制があるものの、含有量がゼロという意味ではありません

 

どういう点を気にすべきか

日本で作られている食品の多くは、部分水素添加油脂の自主規制がすすみ、日本人の食生活から考えてもトランス脂肪酸のリスクは少ないといえます。

では気をつけるべきところはないのでしょうか?

たくさん食べればアメリカと同じ

日本人でもアメリカ人と同じような食生活をしていればリスクは同じということです。

脂質をたくさん含むハイカロリーなものを、肥満になるまで食べるような食生活ではいくらトランス脂肪酸が少ない商品であっても、たくさんトランス脂肪酸を摂取してしまいますね。

しかも日本はトランス脂肪酸の含有量表示義務がないので、食品中の量はわかりにくく意識しにくいという環境にあります。

油の入ったパンやお菓子が大好き!という人は食べすぎに注意すべきです。

脂質のとりすぎには注意しましょう

脂質の中のトランス脂肪酸の含有量がどれだけ少なかったとしても、脂質であることにはかわりません。

マーガリンもバターもオリーブオイル、ショートニングでも、どんな油であっても脂質のとりすぎは体に悪いといえます。

油の種類や成分ばかり気をつけるよりも、偏った食事をしない、一つのものを摂取しすぎないということに意識をむけることが、とても大切ですね。

トランス脂肪酸の有無にかかわらず、脂質のとりすぎには注意しましょう

 

まとめ

マーガリンが体に悪いと言われてから、マーガリンは大きく変わったことがわかりました。

より安心なものへ進化し続けるマーガリンに対し、今も昔のイメージのままだという方は、これを機にマーガリンに対する考えを見直してみてください。