子どもも大好きなフルーツジュースですが甘味料を気にする方も多いと思います。
食品開発20年の友谷です。
また果汁100%以外のものはほぼ糖類などで甘味が加えられています
甘味料とは何か?そして実際の商品に入っているか解説&確認します
甘味料のないフルーツジュースを選びたい!という方。
読んでみてくださいね。
もくじ
甘味料&ジュース には決まりがあります
甘い調味料は甘味料。
甘い飲み物はジュース。
普段私たちはそのようによんでいると思うのですが、食品の世界は実はきっちりと定義が定められているんです。
甘味料とは食品添加物のこと
甘味をつける調味料といえば、一番みじかなものは砂糖などの糖類です。
砂糖やぶどう糖、蜂蜜なども甘味をつける調味料で甘味料ともいいますよね。
ただ、食品添加物を使って甘味をつけることもあります。
アセスルファムカリウム、アスパルテームといった添加物ですが、食品表示ではこれらの添加物のことを甘味料とよびます。
例えば、砂糖は食品添加物ではないので、食品表示では『砂糖』と記載されます。これに対し、甘味をつける添加物であるサッカリンであれば『甘味料(サッカリン)』と記載されます。
飲料に使用される甘味は、大きくわけると添加物と添加物以外の2種類に分類され、甘味料と記載されているものは添加物です。
ジュースとは果汁100%のもの
食品の分類上では、果汁100%のものだけを『ジュース』とよびます。
果汁が100%未満10%以上のものは『果汁飲料』という分類になります。
果汁量による分類
果汁量 | 分類 |
100% | ジュース |
10%以上100%未満 | 果汁飲料 |
果汁100%のジュースは、甘味料(添加物)の使用が認められていません。
つまり、甘味料なしのフルーツジュースを選びたい場合、果汁100%と書いてある商品を選べば甘味料(添加物)が入っていることはありません。
食品表示では甘味料は食品添加物
果汁100%のジュースには甘味料(添加物)は入っていない
市販のフルーツジュースの原材料
では本当に100%果汁のものは甘味料なしのフルーツジュースなのか?どういう材料で作られているのか?
実際の商品で確認します。
果汁100%ジュースの原材料
ジュース(果汁100%)の原材料
メーカー | 商品名 | 原材料/添加物 |
愛媛飲料 | POM ポンジュース | 果実/香料 |
雪印 | Dole オレンジ 100% | オレンジ/香料 |
キリン | トロピカーナ 100%オレンジ | オレンジ/ビタミンC、香料 |
コカコーラ | 朝の健康果実 オレンジブレンド | 果実/香料、ビオチン |
甘味料とはどこにも書いていません。
果汁100%(ストレートと濃縮還元)
さらに100%果汁のジュースには『ストレート』と『濃縮還元』の2種類あります。
ストレートと濃縮還元の違い
種類 | 製法 | 使用可能な原料 | 使用可能な添加物 |
---|---|---|---|
ストレート | 果汁そのまま | なし | なし |
濃縮還元 | 果汁の水分をいったん除いてから水で戻す | 砂糖や蜂蜜 | 香料・二酸化炭素・強化剤※ |
※オレンジジュースの場合
100%ジュースはストレート・濃縮還元に限らず甘味料(添加物)は入れてはいけませんが、濃縮還元タイプには砂糖などを入れても良いことになっています。
先ほど紹介した実際の商品は全て濃縮還元タイプです。
しかし原材料をみても砂糖などは加えられていません。
糖類を加えられることもありますが、その場合『加糖』という記載が必要ですので、食品表示で確認するようにしてください。
果汁100%でないもの(果汁飲料の原材料)
果汁100%でない果汁飲料には甘味料(添加物)の使用が認められています。
では実際に入っているのか果汁確認しましょう。
果汁飲料(果汁10%以上100%未満)
メーカー | 商品名 | 原材料/添加物 |
コカコーラ | Qoo みかん | 果実、果糖ぶどう糖液糖/香料、酸味料、ビタミンC、カロチン色素 |
朝日 | バヤリースオレンジ PET | オレンジ、砂糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖、ぶどう糖)/酸味料、ビタミンC、香料 |
キリン | なっちゃん オレンジ | 果実、糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)/酸味料、香料、ビタミンC |
すべて甘味料なしのフルーツ(オレンジ)ジュースということがわかります。
しかし、先ほどの100%果汁の商品と異なり、甘味料は使用されていないものの糖類が加えられていることがわかります。
※青色で書いたものが糖類です
100%果汁のものは糖類が加えられていないものが多い
100%以外のものは糖類が加えられている
フルーツジュースに入っている糖とは
果汁飲料には必ずといってよいほど使用されている糖類ですが、どのようなものが使用されているのでしょうか?
今回の商品例を例に説明します。
ぶどう糖
ぶどう糖は血糖ともよばれ人の身体にもたくさん存在します。
脳のエネルギーになるため、最近では集中力アップ効果が期待され『ぶどう糖〇%』と謳ったラムネなどがサラリーマンや受験生に人気ですね。
果糖
名前のとおり果物に含まれる糖です。
果糖は低温ではスッキリとした甘みが砂糖より強く感じられます。
最近は肥満の一因として指摘されることが多い糖です。
砂糖
家庭でもよく使われる糖なので、甘さも想像しやすいですね。
ぶどう糖と果糖が合わさったものが砂糖です。
果糖ぶどう糖液糖
家庭では使わないので馴染みがないと思いますが、果糖とぶどう糖が混ざった液状の糖で、異性化糖とよばれるものです。
でん粉を分解してぶどう糖にし、さらに酵素で一部を果糖に変換します。
このぶどう糖を果糖に変換させることを異性化というので異性化糖とよばれています。含まれている糖の種類や量によって、ぶどう糖果糖液糖、砂糖ぶどう糖果糖液糖などの種類があります。
これらの糖はそれぞれ味や価格が異なっており、使い分けて使用しています。
砂糖や蜂蜜に比べて、安価で甘味の強い果糖ぶどう糖液糖は飲料によく使われています。
肥満を気にするのであれば、果糖という記載の有無は関係なく飲みすぎ(食べすぎ)ないようにしましょう。
糖類としては安価で甘味の強い果糖ぶどう糖液糖がよく使われている
甘味料の入っている飲料&甘味料
でも、入っている飲料はあるの?
果汁が主体となっているジュースや果汁飲料などの飲み物には、甘味料はあまり使われていないことがわかりました。
では、甘味料(添加物)が入ったフルーツ味の飲み物にはどんな商品があるのでしょうか?
炭酸飲料には甘味料がよく使用されている
例をあげるなら、果汁1%のファンタオレンジ(炭酸飲料)は果糖ぶどう糖液糖に加えて、甘味料が2種類使用されています。
メーカー | 商品名 | 原材料/添加物 |
コカコーラ | ファンタ オレンジ | 果糖ぶどう糖液糖、オレンジ果汁、オレンジエキス/炭酸、香料、酸味料、ビタミンC、カロチン色素、甘味料(アセスルファムK、スクラロース) |
オレンジ色で記載したものが添加物の甘味料です。
必ずしも入っているわけではありませんので、食品表示で確認しましょう。
食品添加物・甘味料について
添加物の甘味料とはどういうものでしょうか?
先ほど例にあげたアセスルファムカリウム、スクラロースは非常に甘味が強く砂糖の何百倍もの甘味があります。
このため、砂糖と比べると少量の使用で効果がでるため、コストメリットがあるだけでなく摂取カロリーをおさえられるというメリットがあります。
糖質系甘味料
キシリトール、エリスリトールなど
非糖質系甘味料
ステビア、甘草など(天然)
アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテームなど(合成)
フルーツ味の飲み物以外では、炭酸飲料のほかにも、スポーツ飲料やコーヒー飲料などにも甘味料が使用されています。
炭酸飲料では甘味料が使用されている場合もある
まとめ
甘味料とは食品表示では添加物のことをさします。
実際の商品を確認すると100%であれば甘味料なしのフルーツジュースばかりでしたが、糖類は入っている可能性はあるので食品表示で確認しましょう。
果汁100%未満の果汁飲料であれば、ほぼ糖類が使用されています。
炭酸飲料では糖類、甘味料ともに入っているものよくみかけます。
表示がなくても、果物には糖がたくさん含まれますので飲みすぎないように注意して、美味しいジュースを楽しく生活にとりいれていきましょう。